大阪だけでなく東京でも中国人が増えている、日本の多民族国家化は進むか

忙しくてずっとブログを放置してしまっているけど、、久しぶりに書きました。

【専門家解説】なぜ?大阪で中国からの移住者が急増中! 中国に比べ日本は安い?生活に余裕?中国からの逃げ出し「潤」とは?

 

現在自分も外国人(長期滞在者)としてマレーシアに住ませてもらっている身としてはいろいろ考えさせられる。
マレーシアはイギリス植民地時代の19世紀後半から労働者として中国、インドから多く呼び寄せた。
その後イギリスからの独立を果たすが21世紀前半の現在の各民族の割合は
マレー系民族が6割強、中華系民族が2割強、インド系民族が1割弱の割合までに増えていってまさに多民族国家となっている。

外国人としてこの国に住む分には、外国人に対して比較的寛容で、滞在ビザや不動産購入についても外国人に対してルールが整っていたり、言語はマレー語が公用語となっているものの、他民族とのコミュニケーションのために英語が多く通じる、そして親日な人が多いことから住みやすい。
単独民族国家の日本で40年住んできた自分としては多民族国家住みやすくていいじゃん!
と思っている、いた。

でも7年も住むと良いところだけじゃなくネガティブなところもみえてくる。

マレーシアの多民族国家は各民族がみんなお手々つないで仲良くやってるのとはちょっと違う。
多民族が融合しているのではなく併存している。
各民族は宗教的に大きく違う価値観を持っているため、住まい、教育などについてはそれぞれの範囲をしっかり守りつつ、一部を折り合いつけて近すぎず遠すぎないバランスを保ちながら成り立っている。
マレー系が多いエリア、中華系が多いエリアが明確にあり、学校についても公立校が民族別にあるし、公立大学入試についてもマレー系が優遇された制度となっている。

そうなってくるとどうしても優遇された側のマレー系は楽に大学へ行くことができ、そうでない少数派の民族は厳しい競争を勝ち抜いたものだけが安価で高等な教育を受けることができる。
厳しい競争に勝ち抜けない少数派の民族はがんばってビジネスでお金をかせいで子どもを私立の学校行かせ、海外へ留学させる。
そうして大まかな傾向として少数派は歯を食いしばってがんばり続け、多数派は楽をする。
すなわち外来少数派が厳しい競争にさらされて優秀に育ち、元来の多数派はぬるま湯につかり続け後塵を拝する。

そのような大きな流れの中でお互いに不満や軋轢を持ちつつも、
多民族でわかり合う、併存するために様々なルールを作り、必要な教育をほどこし今のところ喧嘩はしないバランスで維持できている。
教育についてはマレー語、英語、中国語など多くの授業を言語に割く必要があり、理数科目や体育、行事などの授業時間は日本と比べると少ないと思う。
その結果、価値観が異なる人とのコミュニケーション能力は高く、しかし世界で渡り合えるほどの高度な専門家を育てるのは難しい。

これは良い悪いではなく、何かを得ようとすれば何かを手放す必要があるということ。

一方の日本は自国言語が複雑・高度だから日本語を学ぶ時間が比較的多くかかるが、他言語を学ぶ時間をそんなに割かない代わりに単一言語での深い思考が可能になり、専門分野を学ぶ時間をしっかり確保でき、狭い国土での共同生活により他者との協調性や効率性が磨かれている。

そんな日本に中国人が少しづつ着実に増えていっている。
日本人の人口はこれからも減り続けていくし、外に出たい中国人はまだ増えるだろうから、このままであれば当面は外来の中国人を受け入れ続けていくことになるだろう。
そして数十年、数百年経ったらマレーシアのような多民族国家になっていくのだろうか。

国内に外国人が増えても今のように日本語だけ使い続け、外国人に日本語を学ばせて、元来の自国民を優遇していくのか。
そんなことを維持し続けることができるのか。

そんな数十年後の未来に自分はいないが、自分の子供たちやその子供たちが生きていく。
その子供たちのために自分は何ができて、何をしたらいいだろうかと考えて止まらない。